株式会社クロサキは、明治40年(1907年)に金物屋「黒崎清五郎商店」として栃木県宇都宮市大工町で創業しました。
しかし創業者である初代清五郎は、5年後に病に倒れてしまいました。享年40歳でした。
葬儀を終え商いを再開した初日、店の前には売掛金を持ったお客様の列が出来ていたそうです。当時売掛金等の管理は清五郎が行っていたため、残されたサワはどこにどれだけの売掛金が残っているのか分からなかったそうです。
そのような状況を察したお客様の恩情により、商いを続けることができたとのサワの言葉がいまでも語り継がれています。
その後サワは、残された幼い子供5人を育てながら、黒崎清五郎商店を女手一つで必死で支え守り抜いたのでした。サワは晩年、人生を振り返り事あるごとに周囲の人々へこう語っていました。
「私の夫は、顔も良く、頭も良い、本当に素晴らしい男性じゃった。私はあの人の子供を5人も授かる事ができて幸せじゃったぁ。」
失意の中のサワを支えたのは、夫への尊敬の念と家族への愛情、そして残されたサワを応援してくださった多くのお客様への感謝の想いでした。
「ご縁を大事にしなさい」
黒崎家に唯一語り継がれている家訓は、そのような体験から生れたのでした。